第3章 都道府県知事への報告について - 第2節 随時報告

随時報告とは、認定取消事由に該当したこと又は贈与税若しくは相続税の納税猶予制度の適用を受けている経営承継受贈者若しくは経営承継相続人の死亡等※による納税猶予額の免除を受けるに当たり、一定の事由に該当しないことを報告するものです。

※ 死亡等には、経営承継受贈者若しくは経営承継相続人が死亡した場合や、やむを得ない事情により認定中小企業者の代表者を退任した場合を含みます。

事業継続期間中に、認定取消事由(雇用維持要件を満たさなかった場合及び経営承継贈与者が死亡した場合で切替確認を受けない場合を除きます。)に該当した場合には、当該該当した日の翌日から1ヶ月を経過する日まで(後継者が死亡した場合及び後継者にやむを得ない事情が発生し、認定中小企業者の代表者を退任した上で次の後継者(3代目)へ猶予株式を贈与した場合には4ヶ月以内)にその旨を報告(随時報告)しなければなりません。

経営承継受贈者又は経営承継相続人の死亡等があった場合の随時報告の結果、一定の事由に該当しないことが確認された場合には、都道府県知事から確認書が交付されます。

当該該当する日の翌日から6ヶ月を経過する日までに税務署長に当該確認書を添付した一定の届出書を提出することで、納税猶予税額の免除を受けることができます。

贈与税の納税猶予制度の適用の前提となる認定に係る随時報告(円滑化法施行規則12⑤)

贈与税納税猶予の随時報告の提出に当たっては、以下の項目を報告する必要があります。報告書は、様式第12を使用します。

5 第一項の規定にかかわらず、特別贈与認定中小企業者は、次の表の各号の上欄に掲げる場合に該当することとなった場合(当該認定に係る贈与に係る贈与税申告期限前に当該特別贈与認定中小企業者の経営承継受贈者が死亡した場合を除く。)には、当該各号の中欄に掲げる日(以下「随時贈与報告基準日」という。)の翌日から一月(第二号及び第三号の上欄に掲げる場合に該当することとなった場合にあっては、四月)を経過する日までに、当該各号の下欄に掲げる旨を都道府県知事に報告しなければならない。

認定取消事由に該当した場合には、年1回の事業継続報告(年次報告)とは別に、認定取消事由に該当した日から原則として1ヶ月(後継者が死亡した場合及び後継者にやむを得ない事情が発生し、認定中小企業者の代表者を退任した上で次の後継者(3代目)へ猶予株式を贈与した場合には4ヶ月)以内に報告をしなければなりません。

なお、「当該認定に係る贈与に係る贈与税申告期限前に当該特別贈与認定中小企業者の経営承継受贈者が死亡した場合」は施行規則第9条第2項第一号に該当しますが、贈与税の納税猶予制度が適用される前の状態であるため、報告は必要ありません。

経営承継受贈者が死亡したとき(円滑化法施行規則12⑤二)

当該経営承継受贈者が死亡したこと(ただし、次に掲げる事項も併せて報告しなければならない。)

イ 随時贈与報告基準期間(当該随時贈与報告基準日の直前の贈与報告基準日の翌日から当該随時贈与報告基準日までの間をいう。以下同じ。)における代表者の氏名
ロ 当該随時贈与報告基準日における常時使用する従業員の数
ハ 随時贈与報告基準期間における当該特別贈与認定中小企業者の株主又は社員の氏名及びこれらの者が有する株式等に係る議決権の数
ニ 随時贈与報告基準期間において、当該特別贈与認定中小企業者が上場会社等又は風俗営業会社のいずれにも該当しないこと
ホ 随時贈与報告基準期間において、当該特別贈与認定中小企業者が資産保有型会社に該当しないこと
ヘ 随時贈与報告基準事業年度(当該随時贈与報告基準日の直前の贈与報告基準日の翌日の属する事業年度から当該随時贈与報告基準日の翌日の属する事業年度の直前の事業年度までの各事業年度をいう。以下同じ。)においていずれも当該特別贈与認定中小企業者が資産運用型会社に該当しないこと
ト 随時贈与報告基準事業年度における当該特別贈与認定中小企業者の総収入金額
チ 随時贈与報告基準期間において、当該特別贈与認定中小企業者の特定特別子会社が風俗営業会社に該当しないこと

上述したとおり、経営承継受贈者の死亡は猶予された贈与税の免除要件となっていますが、贈与税を免除するにあたって、経営承継受贈者の死亡以外の認定取消事由に該当していないことについて確認を受ける必要があります。上記は、認定取消事由に該当していないことを報告するものです。
報告の結果、認定取消事由に該当しないことが確認された場合には、都道府県知事から確認書が交付されます(規則第12条第14項)。
なお、随時報告書の提出期限は、経営承継受贈者の死亡の日の翌日から4カ月を経過する日です。

経営承継受贈者が認定中小企業者の代表者を退任したとき(円滑化法施行規則12⑤三)

特別贈与認定株式再贈与が生じたこと(ただし、次に掲げる事項も併せて報告しなければならない。)

イ 随時贈与報告基準期間における代表者の氏名
ロ 当該随時贈与報告基準日における常時使用する従業員の数
ハ 随時贈与報告基準期間における当該特別贈与認定中小企業者の株主又は社員の氏名及びこれらの者が有する株式等に係る議決権の数
ニ 随時贈与報告基準期間において、当該特別贈与認定中小企業者が上場会社等又は風俗営業会社のいずれにも該当しないこと
ホ 随時贈与報告基準期間において、当該特別贈与認定中小企業者が資産保有型会社に該当しないこと
ヘ 随時贈与報告基準事業年度においていずれも当該特別贈与認定中小企業者が資産運用型会社に該当しないこと
ト 随時贈与報告基準事業年度における当該特別贈与認定中小企業者の総収入金額
チ 随時贈与報告基準期間において、当該特別贈与認定中小企業者の特定特別子会社が風俗営業会社に該当しないこと
リ 当該経営承継受贈者が代表者を退任した日
ヌ 当該経営承継受贈者が第九条第四項各号のいずれかに該当する事実に至ったこと

経営承継受贈者にやむを得ない事情が発生し、認定中小企業者の代表者を退任した上で、次の後継者(3代目)へ猶予株式を贈与した場合、他の認定取消事由に該当していないことについて確認を受ける必要があります。上記は、認定取消事由に該当していないことを報告するものです。
報告の結果、認定取消事由に該当しないことが確認された場合には、都道府県知事から様式第16による確認書が交付されます(施行規則第12条第14項)。
なお、随時報告書の提出期限は、経営承継受贈者が認定中小企業者の代表者を退任した日の翌日から4カ月を経過する日です。

相続税の納税猶予制度の適用の前提となる認定に係る随時報告(円滑化法施行規則12⑦)

相続税納税猶予の随時報告の提出に当たっては、以下の項目を報告する必要があります。報告書は、様式第12を使用してください。

7 第三項の規定にかかわらず、特別相続認定中小企業者は、次の表の各号の上欄に掲げる場合に該当することとなった場合(当該認定に係る相続に係る相続税申告期限前に当該特別相続認定中小企業者の経営承継相続人が死亡した場合を除く。)には、当該各号の中欄に掲げる日(以下「随時相続報告基準日」という。)の翌日から一月(第二号及び第三号の上欄に掲げる場合に該当することとなった場合にあっては、四月)を経過する日までに、当該各号の下欄に掲げる旨を都道府県知事に報告しなければならない。

認定取消事由に該当した場合には、年1回の事業継続報告(年次報告)とは別に、認定取消事由に該当した日から原則として1月以内(後継者が死亡した場合及び後継者にやむを得ない事情が発生し、認定中小企業者の代表者を退任した上で次の後継者(3代目) へ猶予株式を贈与した場合には、4月以内)に報告をしなければなりません。

なお、「当該認定に係る相続に係る相続税申告期限前に当該特別相続認定中小企業者の経営承継相続人が死亡した場合」は施行規則第9条第3項第1号に該当しますが、相続税の納税猶予制度が適用される前の状態であるため、報告は必要ありません。

経営承継相続人が死亡したとき(円滑化法施行規則12⑦二)

当該経営承継相続人が死亡したこと(ただし、次に掲げる事項も併せて報告しなければならない。)
イ 随時相続報告基準期間(当該随時相続報告基準日の直前の相続報告基準日の翌日から当該随時相続報告基準日までの間をいう。以下同じ。)における代表者の氏名
ロ 当該随時相続報告基準日における常時使用する従業員の数
ハ 随時相続報告基準期間における当該特別相続認定中小企業者の株主又は社員の氏名及びこれらの者が有する株式等に係る議決権の数
ニ 随時相続報告基準期間において、当該特別相続認定中小企業者が上場会社等又は風俗営業会社のいずれにも該当しないこと
ホ 随時相続報告基準期間において、当該特別相続認定中小企業者が資産保有型会社に該当しないこと
ヘ 随時相続報告基準事業年度(当該随時相続報告基準日の直前の相続報告基準日の翌日の属する事業年度から当該随時相続報告基準日の翌日の属する事業年度の直前の事業年度までの各事業年度をいう。以下同じ。)においていずれも当該特別相続認定中小企業者が資産運用型会社に該当しないこと
ト 随時相続報告基準事業年度における当該特別相続認定中小企業者の総収入金額
チ 随時相続報告基準期間において、当該特別相続認定中小企業者の特定特別子会社が風俗営業会社に該当しないこと

経営承継相続人の死亡は猶予された相続税の免除要件となっていますが、相続税を免除するに当たって経営承継相続人の死亡以外の認定取消事由に該当していないことについて確認を受ける必要があります。上記は、認定取消事由に該当していないことを報告するものです。報告の結果、認定取消事由に該当しないことが確認された場合には、都道府県知事から様式第16による確認書が交付されます(円滑化法施行規則12⑭)。

なお、随時報告書の提出期限は、経営承継相続人の死亡の日の翌日から4ヶ月を経過する日です。

経営承継相続人が認定中小企業者の代表者を退任したとき(円滑化施行規則12⑦三)

特別相続認定株式贈与が生じたこと(ただし、次に掲げる事項も併せて報告しなければならない。)
イ 随時相続報告基準期間における代表者の氏名
ロ 当該随時相続報告基準日における常時使用する従業員の数
ハ 随時相続報告基準期間における当該特別相続認定中小企業者の株主又は社員の氏名及びこれらの者が有する株式等に係る議決権の数
ニ 随時相続報告基準期間において、当該特別相続認定中小企業者が上場会社等又は風俗営業会社のいずれにも該当しないこと
ホ 随時相続報告基準期間において、当該特別相続認定中小企業者が資産保有型会社に該当しないこと
ヘ 随時相続報告基準事業年度においていずれも当該特別相続認定中小企業者が資産運用型会社に該当しないこと
ト 随時相続報告基準事業年度における当該特別相続認定中小企業者の総収入金額
チ 随時相続報告基準期間において、当該特別相続認定中小企業者の特定特別子会社が風俗営業会社に該当しないこと
リ 当該経営承継相続人が代表者を退任した日
ヌ 当該経営承継相続人が第九条第四項各号のいずれかに該当する事実に至ったこと

経営承継相続人にやむを得ない事情が発生し、認定中小企業者の代表者を退任した上で、次の後継者(3代目)へ猶予株式を贈与した場合、他の認定取消事由に該当していなことについて確認を受ける必要があります。上記は、認定取消事由に該当していないことを報告するものです。

報告の結果、認定取消事由に該当しないことが確認された場合には、都道府県知事から様式第⑯による確認書が交付されます(円滑化施行規則12⑭)。

なお、随時報告書の提出期限は、経営承継相続人が認定中小企業者の代表者を退任した日の翌日から4ヶ月を経過する日です。