第2章 都道府県知事の認定 - 都道府県知事の認定(その他)

贈与同年相続に係る認定要件の特例(円滑化法施行規則6③)

贈与した年に贈与者の相続が開始した場合には、以下のように取り扱われます。

相続又は遺贈により取得したものとみなす

贈与の日の属する年に贈与者の相続が開始した場合で、当該贈与者から相続又は遺贈により財産を取得したことにより相続税法第19条等の規定の適用を受けるときは、贈与株式等が贈与税の課税価格に算入されないため、特別贈与認定中小企業者の認定の対象になりません(相続税法21の2④、28④) 。

他方で、相続税の課税価格に算入されるため、当該ケースは施行規則第6条第1項第8号の認定の対象となります。つまり、株式の贈与をした年に、贈与者の相続が開始し、贈与者から後継者に対して当該株式以外の資産の相続又は遺贈があった場合には、特別相続認定中小企業者の認定の対象となります。

一方、当該相続又は遺贈により財産を取得しない場合には、相続税法第19条等の規定の適用はありませんので、贈与税の課税対象となることから、特別贈与認定中小企業者の認定の対象となります。

3 中小企業者の代表者が、贈与(第一項第七号チ(1)又は(2)に掲げる場合の区分に応じ、当該(1)又は(2)に定める贈与に限る。)により当該中小企業者の株式等を取得していた場合において、当該贈与の日の属する年において当該株式等の贈与者の相続が開始し、かつ、当該贈与者からの相続又は遺贈により財産を取得したことにより相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第十九条又は第二十一条の十五の規定により当該贈与により取得した当該株式等の価額が相続税の課税価格に加算されることとなるとき(当該株式等について同法第二十一条の十六の規定の適用がある場合を含む。)は、第一項第八号の規定の適用については、当該贈与者を当該代表者の被相続人と、当該贈与により取得した株式等を当該贈与者から相続又は遺贈により取得した株式等とみなす。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。

第一条第十二項第三号ロ
の相続の開始
からの贈与
第六条第一項第八号
被相続人(遺贈をした者を含む。以下同じ。)の相続の開始の日の翌日から五月を経過する日
被相続人(遺贈をした者を含む。以下同じ。)からの贈与の時
第六条第一項第八号イ、ロ、ホ、へ、ト(1)(4)及び(6)、チ並びにリ
当該相続の開始
当該代表者の被相続人からの贈与
第六条第一項第八号ハ
当該相続の開始の日の属する事業年度
当該代表者の被相続人からの贈与の日の属する事業年度
第六条第一項第八号ト(3)
当該相続の開始の直前において当該中小企業者の役員であったこと(当該代表者の被相続人が六十歳未満で死亡した場合を除く。)
当該代表者の被相続人からの贈与の日まで引き続き三年以上にわたり当該中小企業者の役員であったこと。
第七条第三項第二号及び第五号から第九号まで
当該相続の開始
当該経営承継相続人の被相続人からの贈与
第九条第三項第三号
当該認定に係る相続の開始
当該特別相続認定中小企業者の経営承継相続人の被相続人からの贈与

 受贈者の申告期限前死亡に係る認定要件の特例(円滑化法施行規則6④)

受贈者が贈与税の申告期限前に死亡した場合には、次のように取り扱われます。

受贈者が死亡した場合にその相続人が受けられる認定

後継者(受贈者)が贈与税の申告期限前に死亡した場合には、後継者(受贈者)の相続人が贈与税の申告を行うことになります(相続税法第28条第2項第1号の規定により準用される第27条第2項) 。

このことを踏まえて、贈与税の納税猶予制度の対象となり得る株式等の贈与を受けた者(後継者(2代目))が都道府県知事の認定を受ける前に死亡した場合(施行規則第6条第1項第7号の事由に該当している場合に限ります。)には、当該後継者(2代目)から相続又は遺贈により当該株式等を取得した代表者(後継者の後継者(3代目))について、施行規則第6条第1項第8号の事由により認定を受けることができるときに限り、後継者の株式等の取得に関し、第7号の事由に係る認定も受けることができます。

4 中小企業者は、当該中小企業者が第一項第七号の事由に係る法第十二条第一項の認定を受ける前に受贈者(当該中小企業者の株式等を贈与により取得した者をいう。)が死亡した場合(当該贈与の日の属する年の翌年の一月十五日までに当該受贈者が死亡した場合に限る。)において、当該死亡の直前に当該受贈者が贈与により取得した当該株式等に係る贈与税を納付することが見込まれることにより当該中小企業者が第一項第七号に該当していたときは、当該中小企業者の代表者が当該受贈者から相続又は遺贈により取得した当該中小企業者の株式等に係る相続税を納付することが見込まれることにより当該中小企業者が第一項第八号の事由に係る法第十二条第一項の認定を受けることができるときに限り、その認定と併せて、当該受贈者が贈与により取得した当該株式等に係る贈与税を納付することが見込まれることにより第一項第七号の事由に係る法第十二条第一項の認定を受けることができる。

相続人の申告期限前死亡に係る認定要件の特例(円滑化法施行規則6⑤)

相続人が相続税の申告期限前に死亡した場合には、次のように取り扱われます。

相続人が死亡した場合にその相続人が受けられる認定

相続人が相続税の申告期限前に死亡した場合には、当該相続人の相続人が相続税の申告を行うことになります(相続税法27②) 。

このことを踏まえて、相続税の納税猶予制度の対象となり得る株式等を相続又は遺贈により取得した者(第一次経営承継相続人(2代目))が都道府県知事の認定を受ける前に死亡した場合(施行規則第6条第1項第8号の事由に該当している場合に限る。)には、当該第一次経営承継相続人から相続又は遺贈により当該株式等を取得した代表者(第二次経営承継相続人(3代目))について、施行規則第6条第1項第8号の事由により認定を受けることができるときに限り、第一次経営承継相続人の株式等の取得に関し、同様に認定を受けることができることとしています。

5 中小企業者は、当該中小企業者が第一項第八号の事由に係る法第十二条第一項の認定を受ける前に第一次経営承継相続人(当該中小企業者の株式等を相続又は遺贈により取得した者をいう。)が死亡した場合(当該相続の開始の日の翌日から八月を経過する日までに当該第一次経営承継相続人が死亡した場合に限る。)において、当該死亡の直前に当該第一次経営承継相続人が相続又は遺贈により取得した当該株式等に係る相続税を納付することが見込まれることにより当該中小企業者が第一項第八号(同号の適用については、当該第一次経営承継相続人がその被相続人の相続の開始の日の翌日から五月を経過する日までに死亡した場合にあっては、当該第一次経営承継相続人が当該中小企業者の代表者とならなかったときにおいても、代表者となったものとみなす。)に該当していたときは、当該中小企業者の代表者(以下「第二次経営承継相続人」という。)が当該第一次経営承継相続人から相続又は遺贈により取得した当該中小企業者の株式等に係る相続税を納付することが見込まれることにより当該中小企業者が第一項第八号の事由に係る法第十二条第一項の認定を受けることができるときに限り、その認定と併せて、当該第一次経営承継相続人が相続又は遺贈により取得した当該株式等に係る相続税を納付することが見込まれることにより第一項第八号の事由に係る法第十二条第一項の認定を受けることができる。